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序 文


           浮子ウキ事始メ     石井 忠
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 海岸歩きで、一番最初に目につくのは、漁具の浮子でした。しかし、プラスチック製品は、あまり関心がなく、もっぱら木製品と手造り製品に関心がありました。韓国の丸浮子や楕円状のもの、中国の青色や灰色のものは、色や形、刻された省名(場所)は一応集めてはいました。その後オレンジ浮子が目立ちはじめましたが、それも一通り集めるだけでした。
 時間があれば浮子について調べてみたいと思っていたのですが、そのままになって、ダンボールの中に眠っていたのです。
 この浮子を林重雄氏が注目され、オレンジ浮子について「日本沿岸に漂着するオレンジ浮子」(2002年)をまとめ、更にウキウキ研究会までつくり、福岡での漂着物学会では研究発表されたのだから驚きました。すごいですね。
 今回は全国からの情報を集めて、まとめるというのですから、浮子の決定版となることでしょう。
 できればプラスチック浮子から、古い時代の浮子までさかのぼられたらいいなぁ。事実、軽石や白樺樹皮製も漂着しているので、これは考古学の発掘遺物や世界各地でも使われているので、そこにもたどり着くのではと思いますね。次なるテーマは、ルーツを求めて過去にさかのぼるウキウキ漂流がはじまることを期待しています。
 更に浮子があれば、相棒の沈子(ちんし・おもり)も黙っていないでしょうね。人生、浮き沈みの連続です。ぜひ、沈子も浮かして下さい。


 故・石井 忠先生漂着関連著作リスト

 漂着物の博物誌 西日本新聞社 (1977/09)
 漂着物事典 海からのメッセージ 海鳥社 (1986/11)
 漂着物事典―海からのメッセージ (朝日文庫) 朝日新聞社 (1990/09)
 海辺の民俗学 (新潮選書)  新潮社 (1992/04)
 新編漂着物事典―海からのメッセージ 海鳥社 (1999/05)
 漂着物考―浜辺のミュージアム (INAX BOOKLET) INAX (2003/9/15)
 漂着物探験―風と潮のローマンス みずのわ出版 (2004/11)
 ビーチコーミングをはじめよう―海辺の漂着物さがし 木星舎 (2013/09)

 他に雑誌などの寄稿多数 
 漂着物学会名誉会長
 1937-2016






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by ukiukijiten | 2021-07-23 23:59


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